

相談者は20代前半の女性。初めての一人暮らしに慣れてきた頃、隣室からの騒音がとても気になるようになってしまい、部屋に帰るのも憂鬱になってきた。やがてなるべく遅く帰るようにしたり、家の中にいるときはヘッドホンをして過ごすようにしたりしていたら、耳に変調をきたして耳鼻科を受診することに。日常生活に支障をきたすようになってしまったため、ある程度の我慢は必要だと分かってはいるものの、この状況のままでいるのは耐えられない、との相談。
相手方に騒音に対する配慮の依頼ができることを説明すると、「話を聞いてもらっただけですっきりした」とのことで、今回は配慮依頼をしないことになったが、気になったらいつでも連絡をして欲しい旨を伝えた。
相手方に自分が相談者だと特定されることを恐れて「今回は何もしなくていいです」という方は一定数存在するもののPサポ側から相談者が誰であるかを相手方に伝えることは無い旨を伝達。そのまま放置すると騒音が続くこともあるので、些細なことでも気軽に連絡して欲しいと案内し、相談者の理解が得られたため収束したケース。
相談者はホームパーティーがあるとのことで、同じ物件内の外国籍の入居者から家に招かれた。実際に行ってみると宗教パーティーで、4時間ほどの勧誘を受けた。また呼ぶねと言われているものの、「直接断ると何をされるか分からず怖いので、どうしたらよいか」との相談を受ける。
相手方には電話で連絡が取れたため、直接ヒアリングすると「宗教の勧誘ではない。隣人をホームパーティーに誘うのが母国の文化だ」とのこと。しかし、今後は同様の行為をしないように伝えて事態は収束した。
相手方に連絡して応じていただけたため、長引くことなく事態は収束。
相談者に収束の報告をする際に、もし同様の行為があるようだったら、再度ご相談していただくよう案内し、さらにしつこく接触がある場合は110番通報するようにアドバイス。自分で直接伝えるのは怖い気持ちがあったが、Pサポが間に入ることで直接対応することを避けられ、安堵できたケース。
相談者は20代前半の女性。一方的に好意を持たれている人からストーカー行為を受けていたものの、警察に連絡すると大ごとになってしまうと思い相談できずにいた。しかしストーカーの仕業なのか分からないが、家の鍵の調子が悪くなり開けにくい、開かないという状態にあり困っている、との相談。
相談者から詳細をヒアリングするとストーカー行為を受けていたのは事実であったため、直ちに「警察相談」を教示。大ごとになることを懸念していた相談者に、『警察通報=即事件化』ではなく、その手前の段階の「警察相談」があることを知らせることで警察への連絡を後押しできたケース。これにより行為者には警察から注意が行き、相談者は今後の対応について指導を受けたとのこと。鍵の問題については「駆付けサービス(鍵修理)」を案内し、早急に対応ができた。また、ストーカー行為に関してはおかしいと感じたことがあれば、すぐに当窓口もしくは警察に相談するようにアドバイスした。
これが累計80,000件以上の事例を
解決支援した実績とノウハウだ!
近隣トラブル解決支援サービス「Pサポ」を運営する
株式会社ヴァンガードスミス。
ここで実際に相談員として様々なお困りごとに対応する
専門相談員のお二人にお話しを伺いました。
中里さん : 2015年10月の創業から始めまして、本格的に事業として全国展開となったのが2020年です。これまで対応し解決支援・収束させてきた事件未満のトラブルは、累計で80,000件以上となっています。
中里さん 山口さん : 圧倒的に騒音、音ですね。
中里さん : 私たちのお客さまは集合住宅で賃貸の方が多いので、「音がうるさいです」というのが7割ぐらいありますね。そこから逆に「壁を叩かれてます」とか「うるさいと直接文句をいわれてます」というご相談が大体1割ぐらい。なので、合わせると8割方が音とそれに付随するトラブルという感じがします。
山口さん : 進学や就職などで初めて一人暮らしを始めた方の場合は、ご自分では気付いていないしそんなつもりは無いのに騒音の発生源となってしまっているということもありますね。
中里さん : 5月ぐらいに増え始めますが、新しい生活に慣れてきて一人暮らしの方の住まいに集まって宴会しちゃうとか、夜中に洗濯機を回してしまうとか。実家と同じようにガンガン踵から歩いてしまうと、それが響いて周りには騒音となってしまいます。
中里さん : 駐車苦情というかクルマの停め方ですかね。駐車場が付随している物件で、「枠の中に止めてない」とか「ウチのスペースに寄っている」とか。後はゴミのマナーについてのご相談も増えています。「曜日と時間を守り、ゴミの出し方も注意してください」という基本的なマナーが足りてないというご相談は意外と多い印象があります。
山口さん : 動画視聴が原因のご相談も増えていますね。スマートフォンなどで動画をお一人で深夜まで楽しんでいらっしゃると、自分で思っている以上に響いてしまっていたり、遠隔型のスピーカーに接続していると思いがけない方向から音が伝わってしまったりということがあります。コロナ以降、コンテンツと機材が充実し、家の中での楽しみ方が変わったことによって、こういった事案が増えているように思います。
中里さん :それほど多くはないのですが、臭いもありますね。それもゴミ置き場などではなく、住居での生活の中で感じる臭いです。タバコもありますが、お香を焚いているとか、外国の方ですと日常的に大量のスパイスを使った料理をされることもあるので、その臭いが気になるというお話しもありました。
山口さん : 過敏な方ですと柔軟剤の臭いが気になるといったご相談もありますね。
中里さん : 「できる限り早く」というのが基本です。なので、「こうなったらここまで我慢しよう」ではなく、「何かちょっと嫌だな・・・」の時点でお気軽にお電話いただくのが私達としては一番ありがたいですね。「これ相談すべきかな」と迷ったらとりあえずご相談していただくと、「そういうことがあれば今後こうなったらまたお電話ください」とか「このポイントがわかれば対応できるので、判明したらご連絡ください」などと、こちらから今後のご相談の仕方についてのアドバイスもできます。「ちょっと気になってるんだよな」「お隣さん大丈夫かな?」ということがあれば、ひとまずお電話いただけると収束へのスピードもぐっと早まるケースがあります。
山口さん : お電話をいただくと相談員が詳細をヒアリングさせていただき、そこから助言やアドバイスの対応が始まります。設備に関するご相談など、当窓口でお受けできる領域ではない内容は管理会社へ引き継ぎますが、収束に向けた対応は最初から最後まで専門相談員があたります。
中里さん :例えば「上の階の人がうるさい」というご相談の場合、私達は双方から状況を克明に伺うことから始めます。それこそ根掘り葉掘りという感じですね。すると実は相手方が原因というよりも相談者側が相手に対して過度な要求をしているというケースもあるんです。客観的に過度な要求だと判断した場合は、私達は「その環境を求めるなら、ご自分の部屋で対策する必要があると思いますよ」というアドバイスをすることもあります。「相手に対応を求められる事じゃ無いと思いますよ」というアプローチでご理解いただけることが多いですね。
山口さん : 電話だけでは状況がわからないというケースもありますので、そういったケースに関しては訪問対応を実施しまして、現状の確認や相談者と相手方、双方と、それぞれとお話しして実際に現場の状況等を確認するという対応も行っています。
中里さん : 「言いにくいことをあまり躊躇せずに伝えることが出来る」というのが根本にはあると思います。トラブルの当事者双方にしっかりとヒアリングをし、判断していますが、ケースによっては諭したり言いづらいことも言わなければならない場面も多々あります。普通のビジネスであればお客さまに対して「ちょっとこれは違うんじゃないですか」とか「あなた自身の問題ですよ」などは言い難かったりすると思います。でも警察官出身者であるからこそ、ある意味嫌われてでもはっきりものを言えるというのは、大きな特徴になっていると思います。
中里さん : まだPサポをご存じない方のほうが圧倒的に多いと思っていますので、こういうサービスがあるんだということをまず広く知っていただくことが大切だと思っています。お話ししましたトラブルを私達は「事件未満」と名付けていますが、まだ警察でも弁護士でも直接対応が難しい、該当する法律がない事案であっても相談できる「Pサポ」があるということ。そして「Pサポ」に早めに相談すればトラブルが大きくなる前に未然に防ぐことができるんだ、ということをみなさんに認知していただくことにも力を注いでいきたいと思っています。できれば日本国民のみなさま全員にPサポのサービスを知っていただき、何か事が起きたら「まずはPサポに相談しよう」となる世界を目指したいと思っています。
また2025年2月より身辺警護を現在のサービスに追加提供しました。例えばストーカー行為に遭っていて危険な状況だと判断した場合に、弊社のサービス内で身辺警護を受けることが可能になります。警護対象と判断する条件はいくつかありますが、被害者を作らないことが重要だと考えていますので、身辺警護を身近なものにしたいという想いからも追加提供の開始に至りました。ストーカー被害の届け出をしていても、24時間警護をすることは警察の職務上難しいです。実害がなければ、危険が及ぶ可能性があるだけでは、警察は動くことが難しい。こういった行政サービスの限界を埋めていくことも、弊社の使命だと思っています。